無差別ブログ

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獣医師が足りていても獣医学部は必要だという話


鈴木無花果(@papa_s)です。元大学職員です。

これでいいのか。

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結論から言うと別にこれでいいんですが、国会とかを見ていると、現場の体感からして的外れな議論もあったので、そのあたりをちょっとほじくってみたいという試みです。

色々とお話するべきことはあると思うんですが、とりあえず1点だけ。

獣医師が足りていても獣医学部は必要である

ということだけ。これポッキリでオーケーよ。

獣医学部は足りていない

獣医師が足りている=獣医学部は必要ない

このロジックは完全に間違いです。排除すべき理論です。

獣医師が足りているかどうかは知りません。色んな考察の仕方があるみたいです。地域偏在が問題、とか。

でもそれは、獣医学部を増やさない理由にはなりえません。

獣医学に対する有り余る需要

そもそものお話。

今回新設された岡山理科大学獣医学部はもちろん、現存する獣医学部ものきなみ高倍率なのは常識だと思います。これだけの需要を持っている学部は獣医学部と医学部以外にありません。

実際にこれだけ叩かれた岡山理科大学にも1000人超の募集があったわけで、少なくとも供給に対して非常に大きな需要があることは確実です。

ではなぜこれだけ需要がある学問への道がこれだけ狭く作られているんでしょうか?

間違ったロジック

 税金で養成するのだから、必要な獣医師になる人間のみ、育成するべき。

というロジックがベースになっています。後はまぁ、利権とかいろいろあるみたいですが、国会でよく聞いたのがこの理屈です。

確かに、獣医師、医師を養成するには死ぬほど金がかかりますので、そこへの補助は必要最低限にすべき、という理屈は分かります。

みんな大好き石破4条件にも、「獣医師の需給バランスに悪影響を与えない」なんてこともあったりします。

獣医学部、という定義がそもそも、「獣医師を養成するための学部」だったりもしますし。

でも、このロジックのせいでどれだけの人が苦しんできたでしょうか?

未来を定めてしまう危険性

これは一度ルートを決めたら脱落してはいけない、っていうロジックです。

獣医学部に入ったら、獣医師にならなければ落ちこぼれのダメ人間として扱われてしまうっていうロジックなんです。

更にこのロジックを許すと、例えば現役生以外は受験不可、というルールも成り立ってしまいます。

だってもし1浪したら、獣医師、医師として活躍できる年数が1年も少ないんですよ?そんな人間よりも現役の人間を獣医師、医師にした方がいいですよね?多浪生なんて絶対ダメですよね?

女性は?女性は獣医師になったとしても、出産で年単位のブランクが発生する可能性があるから不可ですよね?力も弱いことが多いですから、大型産業家畜向けの獣医師になりづらいかもしれませんよ?そんな人に税金使っていいんですか??

極端な話、こんな話も成り立たせてしまうロジックじゃありませんか?

まぁ実際、医者の界隈なんかでは成り立ってるんでしょうけど。

とにかく、人が学ぶ権利をそんな理屈で制限しちゃいけないんです。

税金どうすんのよって話

いやでもお金かけてるんだしさ、というお話に対して。

僕たちの税金は、「獣医学」を学ばせるために使われていると考えるべきなんです。

獣医学を学んで、それが臨床ではないバイオの研究に生きるかもしれない。動物扱うビジネスに有利かもしれない。

そこに税金を使うのは無駄だなんて、誰が証明できるんでしょうか???

なので、まぁ実際身になるかはわかんねーけどさ、っつってお金出すのが教育ってもんですよ。若いやつに勉強させて稼がせた方が年寄りは楽になるんすよ??

更にめちゃめちゃマクロな話をすれば、大卒と高卒の生涯賃金くらべると数千万円違う、なんて話もありまして、利回りで考えればめちゃめちゃ優良な投資先だと思うんですけどね。これはまた別の話。

別の攻め手をさぐるべき

というわけで、今回の加計学園問題については、安倍ちゃんと仲良いやつが美味い汁吸っててムカつく!!っていう1点のみで攻めるべきであって、それ以外の需要がどうのって理屈をいくらコネたところで先はありません。

下手にこれにすがって、毎日新聞みたいになったら元も子もありません。巧を焦れば失敗します。言い訳のしようもない証拠を突きつけられるよう準備をする方が有益だと思うのでした。

こちらからは以上です。