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【書評】文系必読の理科的よみもの「生物と無生物のあいだ」福岡伸一


鈴木無花果(@papa_s)です。

みなさん、日々の生活はいかがですか。幸せですか?充実していますか?

僕は最近、仕事が暇なときにはポスティングをしています。そのへんのおうちをまわって、ひたすらポストにチラシを突っ込んでいく単純作業。

最初は楽しいもんです。ポストマンパットの歌なんか口ずさみながらね。郵便屋さんとぶち猫ちゃ~んってなもんで。

しかしそんな楽しいポスティングも、2時間も続いたころから、見えない何かに押しつぶされるような気持ちになるのです。ポストマンパットの歌は自然と歌えなくなり、始まる自問自答。俺はなんのために働いているのだ?なんのために生まれて?なにをして生きるのか?ああ、アンパンマン!!

まぁ何が言いたいかというと「僕たちはなぜ生きるのか?」という中学二年生的なテーマについて、非常に考えさせられる本があったのでご紹介したいということなのです(強引)

というわけでこちら。「生物と無生物のあいだ」福岡伸一

 

僕たちとウイルスの違いはなにか??

生物の基本的な目的は種の存続であるはずです。そのために生殖して個体を増やして、次の世代へとバトンをつなげていく。

ではウイルスはどうか?

ウイルスは自己増幅を繰り返すけれど、その無機質な形やふるまいから、生物ではないものなのではないかとも考えられている。

それでは僕たちとウイルスの違いはなにか??

というわけで、本編では僕たちの最小単位、細胞、DNAという部分について考えることで、生物とはなにか、という問いに迫ろうというものです。

遺伝子、DNA、生命の謎がとかれていくプロセスと、そこにかかわる人の情熱、これが燃えるんですよ!!

研究者たちの熱い戦い

全般的には、分子生物学という分野が発展していく様子を、それぞれの発見をした研究者について掘り下げながら見ていく、という形式。

例えばDNA二重らせん構造を発見したワトソンとクリック

それ以前に「遺伝子の本体はDNAである」ことを示したエイブリー

そして福岡博士本人の研究

1番に発表したものが功績を総取りする研究の世界は、しかし一般的には身近なものではありません。しかしそれがきちんと脚色されて、すてきな科学エンターテイメントに仕上がっています。めちゃめちゃ手に汗握りましたよ!

しかし文系人間からすると、競ってた2つのチームが共同で研究すればもっと早く研究進むんじゃね?とか思ってしまいますけども。あ、そういうもんですか。そうですか。

ラノベ文法で読みやすい

この本について評価が分かれているのは、かなり脚色された文章である、という点。

まぁ個人的にもちょっとうざいかなぁと思わないでもないですけど、ベストセラーになれたのは確実にこの文章のおかげでしょう。

アマゾンレビューを見るとわかるんですが、「理解しやすかった」と「難しかった」が同時に成立しているんですよ。つまりこの本はとってもほどよいってことなんじゃないでしょうか。

そして重要なシーンのラノベ文法も最高です。アレです。章の終わりに短文で大事なこというやつ。海が、とかのやつ。最高。

遺伝子の本体はDNAである。

この一文、めちゃめちゃ鳥肌立ちました。

理科系読み物として読んでおこう

そんなわけで僕たちが生物というのは、なんのために生きるのか、という問い、ひいては、生きているとはどういうことなのか?

哲学的に考えるのはもちろんとても重要ですが、生命のしくみからきちんと理解しようとすることも、同時に進めるべき思考なんじゃないかと思うんですよね。

そしてこの本に出てくる物語の舞台は1900年代です。

生物学者たちはこの問いかけに、何十年も前から一定の理解をもっていました。では技術が進んだ今、この問いはどこまで解決されているんでしょうか?

理科ってすげーなぁとなることうけあいですので、特に文系の人こそ、読んでもらいたい本でありました。